女風という仕事をしていると、出会いの数だけ物語があって。
選んでくれて、心を開いてくれて、たくさん笑ってくれて、「あなたしかいない」と言ってくれた人と、人として向き合い同じ時間を歩いていく。

一緒に過ごした季節や、他愛ない会話や、
ふとした仕草に救われたこともたくさんあって、「この人とはずっと続くんだろうな」って思う瞬間さえある。

でもある日、
「ちゃんと向き合いたい人に出会えたから、ここで区切りにしたい」
そう言われることもある。

喉の奥がぎゅっと痛くなるあの感覚。
胸の奥で静かに落ちていくあの重さ。
失恋に少し似たあの気持ちを抱えながら、
「本当に良かったね。ありがとう。幸せになってね」
と笑って送り出すのが、この仕事でもある。

あと何回この感情を体験するんだろう…
何のためにこの仕事をしているのだろう？
みんなにとって僕は通過点？

寒いからか、年の瀬だからかそんなことを考えることが増えてきた。

だけどね、僕に向き合ってくれたからちゃんと話してくれたんだと思うと感謝しかないし"じゃあ僕と居た時と比べものにならないぐらい幸せになれよ！"と素直に思う。

“その人が幸せに向かうきっかけが少しでも自分だった”
そう思えたら、それで十分なのかもしれない。というか僕たちはそれでしかない。
でもその"それだけ"が意外と重要なんだと思う。

出会ってくれたことに感謝して、
またこれからも目の前の人との物語を
大切に紡いでいけたらいいなと思います。